弓道で行う上で欠かすことの出来ない弦。
部活でやっている人は部費で用意されているものをまずは使っているかと思います。
しかしそうした弦は基本的にコスパ重視で性能面ではイマイチなものが殆どです。
さらなる上達や的中率の向上を目指すのであればなるべく自分にあった弦を選びたいですね。
ということで今回は目的に合ったおすすめの弦を紹介していきますね。
弦の種類による違い
弓道に使用する弦は素材や太さ・硬さなど様々なバリエーションがあってそれぞれに向き・不向きがあります。
これらの性質を正しく理解することによって自分にぴったりの弦を探すことが出来るようになります。
素材による違い
弓道の弦の素材には大別すると合成弦と麻弦があります。
合成弦は主にケブラーなどの化学繊維で作られていて、丈夫で長持ちして価格も比較的安いです。
麻弦はその名の通りに天然素材の「麻」から作られています。
麻の弦は非常に柔らかくて耐久性が低く、すぐに切れてしまいます。
ただしこれは良い面もあり、弦切れが早いほうが弓本体への負担が少なくなるので弓を長持ちさせるのには適しています。
とはいっても麻弦は高級品であるために、同じく高価な竹弓に使用される場合が殆どです。
それ以外の弓を使う人は基本的にコスパの良い合成弦を使っています。
弦の太さによる違い
同じ商品名の弦であっても太さが違うものがあります。
これは使う弓によって適した太さがあるためです。
基本的には弓力が15kg以下は2号、16kg以上は3号となります。
また弦の太さによっては弦の返るスピードや弦音・耐久性が若干変化したりします。
太い弦ほど弓の返りが遅く、弦音が低くなり長持ちします。
細い弦ほど弓の返りが早く、弦音が高くなり弦切れしやすくなります。
弓懸に取り懸ける時の感覚も変化するので一概に弓力だけで太さを決めるとしっくりこない場合もあります。
弦の硬さによる
弦の硬さによっても弦の返りや弦音に若干の変化があります。
硬い弦ほど弓の返りが早く弦音が高くなり、柔らかい弦ほど返りが遅く、弦音も低くなります。
そのために硬い弦の方が矢勢が出やすく綺麗な弦音を響かせるので上級者向けです。
柔らかい弦は引き心地がなめらかで扱いやすいので初心者の人に適しています。
弦を選ぶ時の注意点
弦を選ぶ際にはいくつかの注意点があります。
それは弓によって弦との相性があるということです。
強い弓の場合は離れの時の反動が強く、弓が返る勢いが強いです。
そのために比較的にどんな弦を使ったとしても問題ないです。
逆に弱い弓の場合は離れの時反動が弱く、弓の返る勢いが弱いです。
なので返りの早い性質を持つ硬い弦を使うと弓と弦の返るタイミングがずれるので相性が悪いです。
硬い弦は矢勢が出やすく的中率も上がりやすので好まれますが、使う際には注意が必要です。
強い弓を使う場合には特に問題ないですが、弱い弓を使っている場合は柔らかい弦を使うことをおすすめします。
目的別おすすめ弦3選
弓道の弦は素材やメーカー・商品名によって種類がたくさんあります。
よく知らない人からするとどれを選べば良いのかわからないと思います。
そんな人のために目的別おすすめの弦を3種類紹介するので参考にしてみてください。
弦音重視の人には「響」
学生時代に自身が使っていた弦です。
とても固くて細い弦で矢勢が出やすく、弦音がとても良かったので愛用していました。
価格の方もそこまで高くはなく比較的コスパの良い部類に入ると思います。
直心Ⅱなどの反動の強い弓で使うとかなりの矢勢が出て的中率も上がりやすいです。
ただし弦がとても硬く折れやすいのが難点で、弦巻に巻く時も結構難儀します。
しかしそれ補って余りあるほど良い弦だと思うので一度は試してもらいたい逸品です。
コスパ重視の人には「FFひむかの弦」
コスパ重視の人はこの「FFひむかの弦」がおすすめです。
この「FFひむかの弦」は他の弦とは一線を画す一品で、アーチェリーに使う素材を弓道用に改良したものです。
特徴としてはとにかく耐久性が優れていて従来の弦の約30倍は長持ちすると言われています。
1本の値段はお高いですが、長い目で見るとコスパは抜群に良いです。
性能面でも優れていて矢勢が出やすく、非常に柔らかいので曲げて痛むこともほとんどない。
弓力の弱い弓には「弓神」
弓力が弱い弓を使っている人には「弓神」がおすすめです。
値段の割には性能が良く、弦の硬さも程よいので比較的にどんな弓でも合います。
部活用の安い弦をとりあえず卒業したい人もおすすめですね。
伝説の弦!?「龍鳴」とは
龍鳴弦。
今となっては幻の弦。。。。 pic.twitter.com/mKuKhLR2bE— ねーさん@弓垢 (@jpn_archery0910) 2016年2月8日
かつて弓道界には「龍鳴」という伝説の弦がありました。
それは射手であれば誰もが絶賛し、的中率も抜群だったそうです。
などという噂がネット上で流れていますが実際は噂に背ひれ尾ひれが付いただけだと思います。
何故なら筆者の大学の常備品だったからです。
ということで部員全員良く使っていました。
その経験から言わせてもらうと単に安いだけの弦であったように感じます。
「龍鳴」を使っているからといって特別に中るという現象に出会ったことはないですし、むしろ性能を求めて他の弦に変える人が多かったです。
製造中止となったことで入手困難になったことで伝説といえば伝説なのかもしれませんけどね。
この噂に関しては話半分程度に聞いておいたほうが良いでしょう。
的中率に関しては本人の技量による部分が大半ですからね。
まとめ
弓道の弦はあまり目立たなく何でも良いと思われがちです。
しかし実際は使う弦によって大きく性能が異なります。
弦の硬さによって矢飛びも変わりますし、引き心地も結構変わります。
弦音も種類によって様々です。
射手や弓との相性もあり意外と奥が深いものです。
弓道の上達には1つの弦に固執せずいろんな弦を試して自分に合う弦を見つけるのも意外と大事だったりします。
安いものでも良いのでいろんな弦を試してみるのがおすすめです。