弓道の試合


今回は弓道の試合や作法についての説明になります。

弓道は部活で扱っている高校や中学、大学はサッカーなどの有名なスポーツと比べて少ないですが、剣道や柔道などの日本の伝統的な武道として安定的な人気があります。

ここでは、弓道の作法、試合がどのようにおこなわれているのか、実際の試合におけるルール、的中結果の見方や作法について筆者の経験も交えながら、簡単に説明していきたいと思います。



 

弓道の試合のルール

的中数

アーチェリーと混同される方もいらっしゃると思いますが、的に矢が中る位置によってスコアが変わるということはなく、基本的に的に矢が当たれば、中りとしてカウントされます。

弓道の試合は1ラウンドで4射となり、これが5回続いて計20射での的中数を競うことが一般的です。

あたり外れは基本的に「〇」「×」で表現されます。

 

弓道の動作

 射法八節

弓道の試合で使用される作法・用語について最初に簡単に確認していきましょう。

まず弓道では「射法八節」という基本動作があります。

中学や高校で弓道部に所属していた人はなじみがあると思いますが、8つの基本動作はそれぞれ①足踏み(あぶみ)、②胴作り、③弓構え(ゆがまえ)、④打ち起こし、⑤引き分け、⑥会、⑦離れ(矢を射ること)、⑧残心、という要素になります。

 

動作の説明

この中で⑤の引き分けというのは正に弓の弦を引きこむ動作になります。

そして⑥の会というのは弓を引いて、狙いを定めていく動作になります。

これらの動作は基本的に小笠原流礼法に基づくものであり、多くの大学、高校で採用されています。

小笠原流は非常に歴史が長く、850年以上の伝統があります。鎌倉の鶴岡八幡宮で見ることができる流鏑馬も小笠原流の伝統芸能の一つです。

 

弓道での的中の表現・作法

的中の表現

4射の中で的に中った矢の本数で的中の表現が変わります。

4射中1本も矢が当たらないことを「残念」というように表現します。

そして、4本中2本の矢が当たることを羽分け(はわけ)と言います。

そして4射中すべての矢が的に中った場合は、それを皆中(かいちゅう、と読みます)と表現します。

 

試合での作法

弓道では試合のことを「立」といいます(たち、と読みます)。

そのため弓道部では試合を意識した練習のことを立練(たちれん)というところもあります。

弓道の試合では基本的に3人一組でチームを組み、その中で的中数を競います。

1回で20射の試合であれば、のべ60射の中で的中数を競うことになりますので、的中数が多い方が勝ちになります。

 

立ち位置

試合では立ち位置が一番前の人を「大前」、その次が「中」、その後ろが「落」と言います。

なお高校生のインターハイ予選や本線、座射(1本打ったら座って順番を待つ方法)などの試合は5人1組で行いますが、その時の前から4番目位置の人を「落前」ということがあります。

試合では、まず道場に入場するときは、まず一礼をしてはいることが通例です。

入る時は弓と矢を両手にそれぞれ持ち、自分の立ち位置に付いたら片足を立てた状態で座った姿勢で相手が矢を射るのを待ちます。

矢を射る時は小指と薬指に矢を携えて1本ずつ射っていきます。

 

試合での留意点

なお、試合で注意しないといけないのは、つがえた矢を落としてはならないことです。

これを試合では失矢(しつや)ということがあり、もう1度矢を射ることはできません。

そのため1本でも失矢をしてしまうと、全ての矢があたったとしても、4射中3中になります。

なお、失矢は作法上非常に宜しくないので、高校や部活によっては失矢をしたら坊主という罰則を設けているところもあります。

 

まとめ

このように弓道は細かい規則やルールがあります。覚えることが多いので最初は戸惑うことがあるかもしれませんが、練習や試合を繰り返す中で覚えていきます。弓道は奥の深いスポーツですので、身近にある部活や道場で練習を見学をしてみるのも良いかもしれません。